漫画本
小さいころから漫画が大好きで、中学生くらいまでは、読書=漫画でした。好きな漫画の単行本は小遣いで買い、親からは学習漫画や歴史漫画を買ってもらって読みあさっていました。
しかも、一度読んだ漫画を何度も読み返し、ストーリーはもちろん、細かい台詞に至るまで覚えてしまうほど読み込んでいました。そのせいで両親からは、小言を言われ、同士であるはずの兄からも呆れられていましたが、それでも私の漫画熱が冷めることはありませんでした。
当時は、「漫画を読むとバカになる」等といわれていましたが、今では、漫画は脳に好影響を与えるとの評価もあるようですし(科学的根拠の有無については分かりません)、大学における漫画学科の設立など、教育機関においても、漫画が見直されているようです。
漫画から知識得て、感性も育ててもらったと自覚している私にとっては、嬉しい限りです。
また、この仕事をしていく上で助かっていることもあります。
私は、少年事件に比較的多く携わっていますが、やり方の一つとして、事件とは無関係に一度は少年と雑談をするようにしています。
少年事件の場合、事件と直接関係しなくても、学校や家庭、職場での人間関係や交友関係など、少年を取り巻く環境が非常に重要になることが多いのですが、そのような複雑で、しかも繊細な事柄を、弁護士という得体の知れない肩書を持った人間に話すのはどうしてもためらってしまいます。
だから、一度雑談を入れて、無用な壁を可能な限り取り除き、少しでも少年が自分のことを話してもらえるような関係を築きたいと思うのです。
その時に、私が少年時代に熱中した漫画が話題の一つとしてとても役立ちます。
幸いなことに、現在では、私が少年時代に読んだ漫画の復刻版が売られており、今の少年も私と同じ漫画を読んでいることがとても多くなりました。
ですから私にとって漫画とは、教師であると同時に仕事上の優秀な助手でもあるわけです。感謝。