三陸鉄道の旅
昨年の5月の連休に、震災後復興となった岩手県の三陸鉄道に乗って来ました。
宮古から久慈までの2時間、リアス式海岸を走るレトロな三陸鉄道は、
走行距離の約3分の2近くがトンネルの中ですが、
最も見晴らしの良いポイントでは電車が減速し、
車窓から真っ青に広がる太平洋を見渡すことができたのは感激でした。
連休中ともあって首都圏の満員電車に準じる込み具合でしたが、
三陸鉄道の昨年度の上半期の経常利益が21年ぶりに黒字となった模様で、
若干なりとも貢献でき嬉しく思っています。
沿線の田野畑で宿をとりましたが、
実はこの村では1980年に原子力発電所の誘致計画が持ち上がっていたそうで、
当時の県知事が誘致に積極的だったところ、
村の保健師さん(岩見ヒサさん)が、
美しい海を子や孫に残したいとの思いから、
一人、反対の声を上げ誘致推進派を説得して回り、
結局、断念をさせた経緯があるそうです。
東北の太平洋岸では唯一、原発のない県が岩手県。
三陸鉄道の美しい景観を自由に堪能できるのも彼女の勇気ある行動のおかげです。
福島での原発事故では
未だに多くの住民の方が故郷に戻れないという大変な被害に遭っています。
日本列島は世界有数の火山地帯に立地し、
いつでも火山噴火と巨大地震に見舞われる危険があり、
原発には不向きな土地と言われています。
アメリカの場合、
そもそも火山地帯から相当離れた東部地域に殆どの原発が設置されているそうです。
ここにきて原発の再稼働の動きがでていますが、
誰しも、放射能漏れという目に見えない恐怖との共存は望んではいないはずです。
原発に頼らない自然エネルギーへの転換に切り替えるべき時と改めて思っています。
事務局 K