浦和法律事務所ブログ

当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

裁判官の交替

3月末は裁判所の職員が別の裁判所に異動することが多く、
4月に入って裁判に行くと、
「担当の裁判官が替わりました!」
なんてことがよくあります。
この4月にも係属しているいくつかの裁判や調停で
担当していた裁判官や書記官、調査官が替わりました。

裁判官は、中立公正な立場ではありますが、
人間ですのでいろいろな考え方の人がおり、タイプも様々です。
訴訟を指揮して、事実の認定や証拠の評価を行い、
一定の判断(判決)をするのはほかでもない裁判官です。
なので、裁判官が替わったことによって
その裁判の流れも変わってしまうことがあります。
裁判官が替わるということは、裁判の帰趨にもかかわる重大なことなのです。

このように裁判の流れが変わってしまうかもしれないくらい重大なことが
裁判所の都合で簡単に行われてしまう一方で、
当事者の方から担当の裁判官を替えて欲しいという要望は簡単には通りません。
当事者から担当の裁判官をその裁判手続から排除するためには、
その裁判官が不公正な裁判をするおそれがある場合に「忌避(きひ)」を申立て、
忌避の原因が認められなければなりません。
単に、担当の裁判官が気に入らないとか相性が合わない
などという理由で替えてもらうことはできないのです。

どんな裁判官にあたるかは運次第です。
どんな裁判官にあたっても、
依頼者の主張が認められるように一生懸命活動するのが弁護士です。

三陸鉄道の旅

昨年の5月の連休に、震災後復興となった岩手県の三陸鉄道に乗って来ました。
宮古から久慈までの2時間、リアス式海岸を走るレトロな三陸鉄道は、
走行距離の約3分の2近くがトンネルの中ですが、
最も見晴らしの良いポイントでは電車が減速し、
車窓から真っ青に広がる太平洋を見渡すことができたのは感激でした。
連休中ともあって首都圏の満員電車に準じる込み具合でしたが、
三陸鉄道の昨年度の上半期の経常利益が21年ぶりに黒字となった模様で、
若干なりとも貢献でき嬉しく思っています。

沿線の田野畑で宿をとりましたが、
実はこの村では1980年に原子力発電所の誘致計画が持ち上がっていたそうで、
当時の県知事が誘致に積極的だったところ、
村の保健師さん(岩見ヒサさん)が、
美しい海を子や孫に残したいとの思いから、
一人、反対の声を上げ誘致推進派を説得して回り、
結局、断念をさせた経緯があるそうです。
東北の太平洋岸では唯一、原発のない県が岩手県。
三陸鉄道の美しい景観を自由に堪能できるのも彼女の勇気ある行動のおかげです。

福島での原発事故では
未だに多くの住民の方が故郷に戻れないという大変な被害に遭っています。

日本列島は世界有数の火山地帯に立地し、
いつでも火山噴火と巨大地震に見舞われる危険があり、
原発には不向きな土地と言われています。
アメリカの場合、
そもそも火山地帯から相当離れた東部地域に殆どの原発が設置されているそうです。

ここにきて原発の再稼働の動きがでていますが、
誰しも、放射能漏れという目に見えない恐怖との共存は望んではいないはずです。
原発に頼らない自然エネルギーへの転換に切り替えるべき時と改めて思っています。

事務局 K

「特定秘密保護法」は廃止にするしかない(3)

国会に設置された「情報監視審査会」は、
特定秘密の指定が正当に行われるための監視機能を果たすことができるのだろうか。

「情報監視審査会」は、
衆議院が与党6名、野党2名、参議院が与党5名、野党3名の議員で構成されている。
議事は出席議員の過半数で決定されるため、
そもそも、政府に不利になるような決定をすることができるかは極めて疑問である。
会合も議事録も非公開であるため、
十分かつ適正な議論がなされたか否かチェックの仕様もない。

秘密指定の不正を発見する端緒として、
各省庁が秘密指定をするたびに報告を受けることが必要であるし、
内部通報窓口も必要である。
しかし、いずれも与党議員が慎重なため制度化されていない。
したがって、常時監視することは難しい。

年1回首相が
「情報監視審査会」に報告することになっている「特定秘密指定管理簿」
も項目のみの記載なので、
これだけでは、そもそも秘密指定にすべきものなのかどうかすら判断できない。

以上のような関門をくぐりぬけ、
仮に、「情報監視審査会」で秘密指定の正当性について審査する必要がある
との判断に到達し、
政府に対し、特定秘密の提出を求めたとしても、
政府が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある」と判断すれば、
提出を拒むことができる。
そうなれば、結局、秘密指定の正当性について審査することは事実上不可能である。

そして、最後に、万々が一、「情報監視審査会」が政府の秘密指定を不当と判断し、
政府に対し、改善を求める勧告をしたとしても、強制力はない。

およそ、「情報監視審査会」に有効な監視機能など期待できないことは明らかである。

本年3月30日、ようやく衆参両院で「情報監視審査会」の初会合が開催されたが、
わずか10分で終了した。

「特定秘密保護法」は、われわれ国民の日常生活にどのような影響を及ぼすのだろうか。
引き続き、次回の私のコラムで。