「消費税増税」法案可決
「トニー谷」さんというコメデイアンをご存じですか。ソロバンと教育ママのようなメガネがトレードマークで
「・・・ざんす。」言葉を連発して一世を風靡した往年の名コメデイアンでしたが
この人のヒットソングの中に
「バッカじゃなかろうか、この男」
というのがありました。
曲名自体がそうだったのか、確かな記憶はないのですが
とにかく曲中の強烈なそのフレーズが、耳に焼き付いています。
さて、消費税増税法案が可決されました。
民間のシンクタンク等のリサーチによれば
14年度以降の景気や経済成長率への影響は
相当、大幅なものになりそうですが(それまでは駆け込み需要でむしろ増える)
政府の予測は楽観的で、増税があった場合とない場合とで
景気等への影響は 「大差がない」 。
なぜなら、内閣府幹部によれば
「増税の社会保障への還元や財政状況の改善で
国民の将来不安が減って、消費マインドが好転する」
からだそうです(埼玉新聞の記事より)。
バッカじゃなかろうか、この男。
というフレーズが耳にこだまします。
何より問題だと思われるのは
増税という、財政再建、財政改革という目的のための「手段」だけが先に決められ
つまり財源だけを、先に確保しておいて
その財源によって、何をどのように再建するのか、改革するのか
といった肝心な点が、ほとんど全て、先送りされていることです。
先ほどの内閣府幹部の説明では
「増税の社会保障への還元や財政状況の改善」で(状況は好転する)
とありましたが
社会保障への還元等を含め、何をどのように改革、改善するのかを
殆ど何一つ決められずに先送り・棚上げにしておいて
どうしてそのようなことが言えるのでしょうか。
もともと今回の「増税」は
財政改革の手法や社会保障への還元等のあり方に対するスタンスの異なる
民主、自民、公明の3党の妥協の産物ですので
先送り、棚上げした肝心の事項が
この先、きちんと定まる保証は全然ありません。
それなのに、財界等、一部では、今回の結果が
あたかも「英断」視され、もてはやされているのは
まことに嘆かわしいことだと思います。