イーハト―ブへの旅
イーハト―ブ(理想郷-岩手)への小旅行に出かけた。1日目は一面銀世界の遠野を散策。
昼食はジンギスカン。
その後盛岡に戻り、啄木賢治青春館を見学した。
夜は、旧沢内村の郷土料理に舌鼓を打った。
「ももどり」「大根のビール漬」「蕨のお浸し」は美味。
「ビスケットの天ぷら」は驚きの味わいと食感。
天ぷらの衣をまとったビスケットはやわらかくて、
バターの香りとほのかな甘みが口いっぱいに広がった。
まだ、ビスケットが珍しかった昔、ハイカラなお菓子として食したのだろうか。
旧沢内村といえば、憲法25条(生存権)の精神を村政に生かそうと、
全国に先がけて乳児と老人の医療費無料化を実現し、
わが国初の乳児死亡率ゼロを達成した村として名高い。
その沢内村にふさわしい優しい味だった。
翌朝目覚めると、季節外れの? 雪が激しく舞っていた。
小岩井農場で羊と戯れる計画は中止。
手づくり村で陶芸初体験。
昼に「わんこそば」に挑戦し、花巻の宮沢賢治記念館へ。
詩・童話・短歌はもとより、絵画・音楽・演劇といった芸術活動、法華経の布教活動、
農業・地学・化学果ては宇宙まで、その才能と探究心には改めて驚嘆した。
二日間にわたって、どっぷりと宮沢賢治の世界に浸ることができた旅だった。
盛岡に戻るころには、雪も止んですっかり晴れ、
岩手山の雄姿を眺めることもできて満足!
現在日本で市販されている野菜類の9割以上が
F1品種(一代限りの生産性に優れた品種)である。
それは、日本の農家が生産性を最重要視しているからだという。
しかも、アメリカの多国籍企業である1社がF1品種の種子をほぼ独占しているということを、
私は最近知った。
F1品種は一代限りなので、このままだと、日本の農家は種子を買い続けなければならない。
日本の農業はアメリカの多国籍企業に依存していると言っても決して過言ではない。
何と危険なことか。
農民の生活を豊かにするために農業に力を尽くした宮沢賢治が知ったら、
どんなに嘆き苛立つことだろうと、ふと思った。