当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

司法の女神様

最高裁判所や司法研修所、あるいは一部の大学や司法試験予備校等には
司法を司る神(女神)の像が置かれています。
これはローマ神話等に登場する女神で
名を ユースティティア(Justitia) と言います。
英語の
   Justice(正義)
の語源となっています。

さて、この女神様
通常連想するような女神様とはちょっと違う、外見的な特徴が3つあります。


  一、剣を持っていること。
  二、天秤を持っていること。
  三、目隠しをしていること。

です。

剣は 力 を表しています。
裁判所(官)の判断により、強制執行などの処分はもちろん、
究極的には
(日本では)死刑判決によって人を死なせることも可能な訳ですから、
力の象徴である剣を持っていることは十分に納得できると思います。

天秤は、正邪を測るという意味で、
  公平な裁判を行う象徴
とされています。
先の力は、この公平な裁判が確保されることにより
初めて正当化されることになります
(死刑制度の妥当性については別の議論が必要になると思いますが)。

ちなみに、弁護士バッチの真ん中にも天秤が彫られています。

目隠しは、富や権力
(現代では、マスコミによる世論操作なども入ってくるでしょうか)
などに目を向けず、
  公平な判断をすることにだけ集中することの象徴
とされています。
私の目から見ると、剣を持っている者が目隠しをしているというのは
少し異様な感じもするのですが・・・。
ちなみに、
  目隠しをしたのでは、目を向けるべき正義を見つめることができない
ということで、
像によっては、目隠しをしていないものもあります。

なお、12星座のうちの乙女座と天秤座は、
この女神様と天秤を表しているとのことです。

そうは言っても、裁判官も人間です。
いつも理想の裁判を実現できるわけではないでしょう。
私の目から見ても、
時に公平な裁判を実現できているかについて、疑問を抱くこともあります。

ですから皆様においても、
強大な力を持つ裁判官が、
余計なことに左右されず、公平に正邪を測っているか、
監視の目を向けることも大切なことかと思います。