当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。




パソコン遠隔操作事件で無罪を主張していた被告人が一転して犯行を全面的に認めた。
弁護人らは無罪の主張を撤回し、情状の立証を行っていくそうだ。

 
弁護士の仕事をしていく中で、依頼者に嘘をつかれるのは一番困る。
私は、刑事事件の被疑者や被告人に嘘をつかれたことが何回かある。
「嘘をつかれると適正な弁護活動ができない!だから嘘はつかないで!!」
嘘をついた彼らにはそのように伝えるが、
そもそも嘘をつくのは私のことが信用できないからではないかと思ってしまう。
 
それでも面会を重ね、あるとき、
「嘘をついていた。ごめんなさい。」
と告白されると、ショックではあるものの、少し安心もする。
ただ、そこから信頼関係を築くのは大変である。
嘘をついた彼らをどこまで信用することができるか。
大変だけど信用しなければお互いに信頼関係は築けない。

 
話題の事件の主任弁護人が、記者会見で
騙されたと言って涙目になっていたのが印象的であった。
弁護人らがこれまで何を思って無罪の弁護活動を行ってきたのか。
これから何を思って情状の弁護活動を行うのか。。