当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

お酒の規制

嗜好品であるタバコとお酒。
世間ではお酒よりも、タバコに対する風当たりの方が強いように思われ、
実際に、各地方自治体ではタバコの吸い方(路上喫煙、歩きたばこなど)に対する規制が
2002年ころから実施されているところです。


さて、刑事弁護を担当していると、飲酒が関連する犯罪はかなり多いです。
飲酒運転に限らず、飲酒ゆえの暴力、窃盗など。
そのためか、タバコの弊害よりも飲酒の弊害の方が身近に感じます。
(もちろん、私が元喫煙者という事情もあるかもしれませんが。)
飲酒に絡む事件に触れるたびに、
飲み方の規制ができないものか」
となんとなく考えていたところです。


そんな中、昨年末にアルコール健康障害対策基本法が成立し、
本年6月1日から施行となりました。
立法の趣旨は、主にアルコールによる健康障害の防止等にあり、
「アルコール健康障害」は、
「アルコール依存症その他の多量の飲酒、未成年者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心身の健康障害をいう。」
と定義づけられています(同法2条)。
「不適切な飲酒」という言葉が使われており、
「飲んだら乗るな」の事後的な話ではなく、
飲み方」について言及された法律ということになるかと思います。


この法律の4条から9条までは、
 「(4条)国の責務」
 「(5条)地方公共団体の責務」
 「(6条)事業者の責務」
 「(7条)国民の責務」
 「(8条)医師等の責務」
 「(9条)健康増進事業者の責務」
と定められており、
 みんなで飲酒の問題を考えましょう
という考えが明確に感じられるつくりになっています。

「飲み方」についての規制方法には限界があるだろうことは容易に想定できますし、
今後、どこまで実効性ある法律、計画になっていくのかはわかりませんが、
とりあえず、上述のとおり、みんなで考えましょうという意図を感じましたので、
みなさんにお知らせさせていただこうと思い、今回のブログテーマとしました。