当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

子どもこそ一番の被害者

新聞報道によると
2013年度に埼玉県内の児童相談所へ寄せられた児童虐待の通報は5358件にのぼり
過去最多を記録した、とのことである。
その中でも心理的虐待が目立ち 10年間で7倍 に増加しているという。
とりわけ、両親の間のDV(ドメスティックバイオレンス)を目撃したことに起因するものが
4割を占めている、というのは、衝撃である。


確かに、妻側からの離婚相談の多くは、夫からのDVを伴う。
父親が母親に対して暴力を振るっている場面を目の当たりにした
子どもの恐怖や緊張、悲しみははかり知れない。
小学生以下の子どもが多いというのは、なんとも痛ましいことである。

実際に扱った離婚事件のなかでも
幼児といえども両親に対して非常に敏感であり
常に両親の様子を伺い、息をひそめるようにして日々を過ごしている
という話を多くの依頼者から伺っている。

そのことが、心に容易には癒えない深い傷となって残る一方で
両親の間のDVを目撃した子どもが
成長して配偶者に対して暴力を振るうケースも多い。


子どもは両親を選べない。

両親の不仲は仕方ないとしても
そのことによる子どものストレスを最小限に食い止めるよう互いに協力し合うことは
親としてのせめてもの責任であると思う。
別居、離婚後の面会交流においても然りである。