当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

接見の必要性

弁護士のアドバイスというのは、どうしても専門的な内容であり、
こちらがいかに平易にアドバイスしたつもりであっても、
相手の方が十分に理解できているとは限らない。

特に、刑事事件において微妙な法的な判断が伴う部分、
たとえば「未必の故意」に関する取調べを受けて、
弁護士のアドバイスをもとに、警察や検事の質問の意図をくみ取り、
これに対応する自らの心理状態を正確に述べることは非常に困難である。


我々ができることは、接見に行くたびに口酸っぱくアドバイスをすること。
何度も何度も説明して、
自分の言い分が法的にはどういう意味を持つか
を理解してもらうことである。


警察、検事も日常的に取調べを行っている人たちである。
聞き方をかえて、本人が気づかぬ間にさらっと認めた内容の調書を作成しようとする。

それでも、きちんと自分の言い分が法的にどういう意味をもつかを理解して、
警察や検事の取調べにおいても自分の主張を維持できたとき、
弁護人としては、非常にうれしく、また、尊敬の念をいだくのである。