当事務所の所属弁護士8名によるコラム(ブログ)です。

消費税のからくり

昨年41日から消費税が8%に引き上げられ、10ヶ月が経とうとしています。
やはり家計の負担は大きいです。
日々、感じています。慣れることはありません。

私が若かりし頃は、日本には消費税はありませんでした。
しかし、社会保障のためとの理由で1989年に導入され、
当初は3%、1997年から5%に、そして近い将来は10%に引き上げられる見通しです。
ちなみに、アメリカには消費税(付加価値税)というものは無いそうで、
州ごとに「売上税」が設けられていて、税率も州ごとに異なるそうです。
欧州にはあります。税率も20%以上の国が多いようです。

私は、税金のことは全くの素人なのですが、
「売上税」は、お客様から預かった税金をそのまま納税するだけなのに対して、
消費税は、売上時に預かった消費税分をそのまま納税するのではなく、
仕入等にかかる消費税分を控除した差額を収めるという仕組みだそうです。

ここが大事なところでして、
日本の製品を輸出する業者(企業)の場合、輸出品には消費税はかけられませんが、
仕入れには消費税がかかっている訳ですから、
上記の計算をすると、何と、還付金をもらう事ができるそうなんです。
T社とかは、製品の輸出割合が6割以上であり、
その還付金が年間1400億円超と推算されています。
「本当ですか?」って思うかも知れませんが、
現実に、T社の本社所在地のI県T税務署では、
消費税収入が1400億円超の赤字になっているそうです。
そもそも還付金とは自分が納めた税金が戻るものと思い込んでいただけに、
まさに驚きです!
消費税にこんなからくりがあったとは…。

また消費税は、高齢化社会を支えるためとも言われています。
現在は「3人で1人の老人を支えている」のが 
2030年には「1人で1人の老人を支える」という少子化問題が指摘されています。
でも、これにしても、労働人口で比較をすると、
現在は総人口の51%が労働者であり、
 2030年でもその比率は53%と変わりはないとの推計があります
(但し高齢の労働者は増えます)。
しかも消費税は一般財源に組み込まれるため、
そっくり社会保障費に充てられる訳ではないのです。

消費税の仕組みを知れば知るほど、なんだか納得がいきません。
納税には痛みを伴います。
であれば公平であってほしいし,きちんと社会保障費に充ててほしいものです。
消費税は、きわめて不公平な税金、格差を広げる税金、
そして廃止すべき税金ではないかと改めて思っている次第です。
(消費税の計算方法の理解の仕方が間違っていたら申し訳ありません。)


さて、来る214日(土)は
8回市民講座「マンションをめぐる法律問題」
が行われます。
場所は、当事務所の会議室です。
午後2時開始ですので、興味のあるかた是非、ご参加ください。
講座終了後は無料法律相談も行います。

担当事務:K